これは不思議なことですが、辞書で単語をひけばひくほど、本文に何が書いてあったのかがわからなくなるんですね。
つまり単語の意味ひとつひとつはわかるんだけれども、文章全体の意味がわからなくなるんですよ。
その一方で辞書なしで読んでいると、初めはなんとなく文章の大意が追えるのですが、だんだん知らない単語が累積していって最後はやっぱり意味がわからなくなります。
このジレンマのどこに自分にあったバランスポイントを置くかがポイントです。
だから辞書は引かなきゃいけないけど、全部の単語を引いてもいけないのです。
私の場合は以下のパターンでやっています。
それは「その単語が2度目にでたときに辞書を引く」ことです。知らない単語を片っ端から引いていると残りの生涯二度とおめにかかれない単語を一生懸命調べるという悲劇もあります。だれもそんな無駄なことしたくないですよね。辞書を引くときの手順は、こうです。
1.わからない単語に線を引く。これは辞書を引いた後、本文にもどるときに「あれ?どこに書いてあった単語かな?」ときょろきょろ探す手間をはぶくためです。
2.辞書で調べた言葉は辞書にも線を引く。こうすると、次にもう一度引いたときに「お、これは前にも調べた単語だ。きっと頻度の高い単語だからおぼえなきゃならないな。」と頭の隅にひっかかるからです。この機能が私の知っている限り今の電子辞書にはないので紙の辞書を薦めています。
3.調べた単語の意味を本文に書かないで次の文章を読む。調べた単語の訳を本文に書き込んでおきたいのが人情です。これをあえてしないのがミソ。そもそも、1000ページ近い文書を次から次と読んでいるあなたが読み返す時間があるかどうか、わかりません。
私と違ってまじめなあなたは読み返すのかもしれませんね。しかし例えば、下の文章でissue とCounterfeitingという単語をひいたとしましょう。
Economic issues including action against counterfeiting will play large role in Russia’s entry to the World Trade Organization.
そうすると意味の書き込みをした場合、あなたの頭脳はこう読んでしまいます。
Economic 課題 including action against 偽物ing will play large role in Russia’s entry to the World Trade Organization.
無意識に下に書いた日本語のほうを読んでしまうんですね。それほど母国語には求心力があります。速読・多読の世界では一回ひいた単語をきちんと覚えようとしないで、忘れてもいいから次に進んでいくことが大事です。
また、その単語を忘れたらもう一度辞書を引いたほうがいいです。
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