2010年3月2日火曜日

僕とTOEIC

僕がTOEICをまじめに勉強したのは、今から15年以上前の1993年ぐらいでした。


当時の僕が配属されていたのは大手メーカーの海外部門とはいっても物流の仕事、つまり輸出通関の書類を作る部署だったため、英語を使う機会がまったくなかった状況でした。そして仕事もさほど忙しいわけではなかったので(社会人になって24年間、忙しかった日なんて全部で30日もないのですけどね)、業務に関係する通関士の受験勉強をしたりするかたわらで、英語の勉強を始めました。


僕はそれ以前にイギリスに一年間滞在した経験がありますが、それは会社の研修生という立場で滞在した関係で、会社の中ではほとんど日本語を使って仕事をしていました。だから、帰国後でもほとんど英語の力は伸びませんでした。強いてよかった点をあげるならば、デタラメでもいいから単語をならべて相手にわかってもらおうとする度胸だけは身についたところでしょうか。


そんな環境の中で時は過ぎ、なんとなく「流行」ということもあり、TOEICの勉強をはじめたわけです。その当時はアルク社のTOEIC800シリーズというものがあって、これが最も高度なレベルのTOEIC教本でした。逆にそれ以上をめざそうにも他には参考書は存在しませんでした。現在のようにTOEICの研究が進み、900点や990点をねらった教本が書店にならんでいるのをみると時代が変わったなと思います。


僕はそのTOEIC800シリーズのほとんど(リスニング、語彙、文法、リーディングなど分野によって分冊されていました。)を勉強するとともに、会社ではTIME, NEWSWEEK, BUSINESS WEEKを読み漁り、家でも新聞はJapan times、本はペーパーバックしか読まないようにし、音楽は洋楽か英語のテープを聴くだけ、テレビも衛星放送でわずかにやっていた英語のニュース番組を見るだけの生活を半年やりました。


つまり、生活の中の一部に英語の勉強を取り入れたのではなくて、生活を基本的に英語に変えてしまって、会社の業務と、家族との会話といったどうしても必要なところだけを日本語で対応する生活をしました。


日本語でこれまでインプットしていたものを英語でインプットするという生活パターンを変えただけで特に「勉強している」というストレスを感じないで、勉強を続けることができました。なぜならこれはもう勉強ではないです。生活手段のひとつとして情報インプットをしていただけです。情報のインプットを怠ったら生活ができないからそうしたまでです。


その甲斐があったのか、半年後にはTOEICのスコアが865点をとることができました。たしか300点近くアップしたと記憶しています。それ以降、僕は純粋に英語の勉強をすることをやめ、交渉術や財務知識、マーケティングなどをなるべく英語で吸収するようにしていました。そのため、たまにTOEICを受験してもスコアは伸びることはありませんでしたが、英語レベルは実戦で使えるレベル、つまり書く能力、話す能力も含めて伸ばすことができたと思っています。


おそらく今でも僕のような勉強方法、というか生活様式を半年も続ければだれでも苦もなくTOEICで800点から850点に到達することは可能だと思います。

しかしながら、おそらくそれ以上の得点をめざすのであれば、(実戦で使える英語をマスターしたい方にとって、それ以上の得点をめざすことにどういう意味があるのか僕にはよくわかりませんが)TOEIC満点獲得に特化した試験勉強が必要なのだろうとは感じます。

続く

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